第58回情報処理学会全国大会公開パネル4

「情報検索の新たな展開:テストコレクションから
サーチエンジンまで」

o 日時
o 場所
o 司会
o パネリスト
o 主旨
o 第58回(平成11年前期)情報処理学会全国大会パネル討論4のホームページ
o 第58回(平成11年前期)情報処理学会全国大会のホームページ
o 情報処理学会のホームページ
o NTCIR (NACSIS Test Collection for IR Systems) Project

日時:
1999年3月11日(木)午後1:30〜4:30
場所:
早稲田大学西早稲田キャンパス 22号館 A会場
司会:
細野 公男,慶應義塾大学
パネリスト:
「情報検索技術の概要」
(木谷 強,NTTデータ(株) 情報科学研究所)
「テストコレクションの構築と利用」
(小川 泰嗣,(株)リコー ソフトウェア研究所)
「大規模テストコレクションとコンペティション:
研究室型実験から現実の検索システムへ」
神門 典子,学術情報センター 研究開発部)
「サーチエンジンの現状・課題・新技術」
山名 早人,通産省工業技術院 電子技術総合研究所)
「Webサーチエンジンにおけるページ重要度計算」
(福島 俊一,NEC ヒューマンメディア研究所)
「Webの新鮮な情報取得に特化した情報探索」
(住田 一男,(株)東芝 研究開発センター)
主旨:

近年、情報検索に関する研究や実践は、コンピュータ・ネットワーク技術で代表される情報技術の急速な進歩・普及、研究手法の応用領域の増大、利用者層の拡大を反映して、大きく変容しつつある。たとえば、インターネット上でのサーチエンジンの普及は著しく、これまで情報検索とは関わりが薄かった多くの人が、サーチエンジンを使用してインターネット上の情報資源にアクセスするようになっている。

情報検索システムの構築・利用が日常的になるにつれ、その検索性能の評価が重要な研究課題となっている。情報検索システムの性能が社会・利用者のニーズを真に満たすものであるか否かが、大きな関心事となってきたからである。しかし、こうした課題に取り組むためには、検索性能を的確に評価できる場と規準・方法が確立・整備されている必要がある。検索性能の評価実験は、実質的には1950年代中期のCranfield実験にはじまるといえるが、当時およびそれに続く数十年間は小規模なデータベースを使用する実験室レベルでの評価実験であり、実用の検索システムの評価に結びつくものではなかった。こうした限界を打破したのが、大規模テストコレクションの構築とそれに基づく客観的で共通性のある規準での評価実験である。その顕著な例がTRECである。こうした動きはわが国でも取り入れられ、BMIR、IREX、NACSIS等のテストコレクションの構築とそれを使用する検索性能実験が試みられている。

一方、インターネットの普及は、情報検索の大衆化をもたらし、サーチエンジンを使用して、ジャンルや性格の全く異なる種々の情報が検索されるようになった。しかし、その機能や検索性能に関しては多くの問題があり、それを解決するために、現状調査や種々の方策の提案がなされている。

テストコレクションの構築とそれに基づく評価実験の成果は、これまでのオンライン情報検索システムの性能向上のみならず、Web検索の性能向上とも深い関わりがある。したがって、このような検索性能の評価実験で得られた成果の、サーチエンジンを含めた実用システムへの効果的な応用は、情報検索の発展に不可欠といえよう。たとえば、用語の出現頻度の活用に関して、評価実験で得られた成果のサーチエンジンへの導入などが、考えられる。

本パネルでは、まず情報検索技術の概要、および種々なテストコレクションの特徴とその構築・利用の現状を紹介する。続いてサーチエンジンの特徴・課題、Webページの特徴や重要度、Web検索の固有性等を取り上げる。テストコレクションでの評価実験は理論の実践であるが、これはあくまでも実用システムへの貢献を意図することが、その目的である。

そこで、本パネルの後半では、理論の現場への応用(Theory into Practice: TIP)を意識して、設定された複数のテーマを中心にパネラー、フロアー間で討議を行い、情報検索の今後を展望する。


o このページの先頭
o 第58回(平成11年前期)情報処理学会全国大会パネル討論4のホームページ
o 第58回(平成11年前期)情報処理学会全国大会のホームページ
o 情報処理学会のホームページ
o NTCIR (NACSIS Test Collection for IR Systems) Project

ntc-admin
Last modified: Mon May 10 17:31:28 1999