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イベント

サマーキャンプ2011『インタラクション研究と人』

2012.9.10~2012.9.13

2011年9月10日から13日にかけて,はこだて未来大学でサマーキャンプ2011『インタラクション研究と人』を開催いたします.本イベントは,NIIグランドチャレンジ「情報環境を支える日常的インタラクションデータ収録のためのプラットフォーム構築」(2009-2011)およびNII共同研究(受け入れ:坊農真弓)の成果を発表し,参加者とともに議論をするものです.また,参加者に我々が収録したインタラクションデータを配布し,実際にデータに触れて分析する機会を提供します.希望者にはサマーキャンプ最終日にご自身のデータ分析結果を披露していただくことができます.

招待講演にはこだて未来大学の片桐恭弘教授をお招きします.また,インタラクション研究の最前線で活躍する研究者による研究発表を予定しています.詳しくは以下の各セッション概要をご覧ください.

日程・場所

日程
9月10日~13日(3泊4日)
場所
10日,ホテルグランティア函館五稜郭 (http://www.hotel-grantia.co.jp/goryokaku/)*
11日-13日,はこだて未来大学

*10日については,はこだて未来大学が工事で使用できないため,近くのホテルのレストランスペースをお借りして進めます.

招待講演

片桐恭弘,はこだて未来大学

タイムテーブル

10日(土)@ホテルグランティア函館五稜郭内レストランスペース
15:30- 受付
16:00-18:00 開会,インタラクションデータ配布,データ分析についての説明
18:00-20:00 夕食(各自)
20:00-22:30 ナイトセッション(話題提供3件)
11日(日)@はこだて未来大学
10:00-11:00 自主課題:データ分析
11:00-12:00 共同研究1(竹内勇剛,静岡大学)
12:00-13:00 昼食(各自)
13:00-14:00 データセッション1(菊地浩平,国立情報学研究所)
14:00-15:00 データセッション2(東山英治,千葉大学)
15:30-18:00 招待講演(片桐恭弘,はこだて未来大学)
18:00-20:00 懇親会
12日(月)@はこだて未来大学
10:00-11:00 データセッション3(細馬宏通,滋賀県立大学)
11:00-12:00 データセッション4(伝康晴,千葉大学)
12:00-13:00 昼食(各自)
13:00-15:00 共同研究2(小倉加奈代,北陸先端科学技術大学院大学)
14:00-15:00 共同研究3(岡田将吾,東京工業大学)
15:30-18:00 自主課題:データ分析
13日(火)@はこだて未来大学
10:00-11:00 グランドチャレンジ1(榎本美香,東京工科大学)
11:00-12:00 グランドチャレンジ2(高梨克也,さきがけ/京都大学)
12:00-13:00 昼食(各自)
13:00-14:00 グランドチャレンジ3(坊農真弓,国立情報学研究所)
14:00-15:00 グランドチャレンジ4(角康之,はこだて未来大学)
15:00-16:00 データ分析披露
16:00 閉会,解散

※ 一部タイムテーブルが変更になりました(8月3日現在)

各セッション概要

共同研究「インタラクション研究とテクノロジー」
共同研究1:竹内勇剛,静岡大学
「多人数ビデオチャットにおける適切な発話アドレッシング手法の開発と円滑な対話環境の構築」
本研究では,多人数で利用するビデオチャットシステムのインタフェース部を対面対話と同様に視線を通した発話アドレッシングを可能にする方法を検 討し開発を行なった.さらにこのシステムを利用して,多人数対話における参与者間の空間性の役割の解明を試みた.これらの取り組みにより,円滑な 多人数ビデオ対話環境を構築できるだけでなく,参加者が積極的に対話に参与しやすい環境を提供することが可能になった.なお実験では,以下の3つ の条件間での対話進行の観察を行ない定性的な分析を行なった.(A)提案したシステムを利用した場合でのビデオ対話環境条件,(B)対話参与者の映像が話者の視線によって変化しない一般的なビデオ対話環境条件,(C)直接対面対話条件.その結果, (B)は話者以外の参与者が自分がアドレスされている意識が希薄となり,スムーズな応答および話者交替に支障を来していたが,(A)ではそのよう な状況は観察されずに,むしろ(C)の場合と近い対話環境が構築されていたことが明らかになった.
共同研究2:小倉加奈代・西本一志,北陸先端科学技術大学院大学
「分断・孤立の解消を目的とした多人数対話場の分析」
内容:多人数対話では,全員が1つの対話場に属することが難しく,複数の グループに分かれてそれぞれに異なる話題について対話する「分断」状態や,1グループに1人しか属さない「孤立」状態が生じる.我々は,このような分断や孤立を解消するメディアの研究開発を従来から進めている.「平成22年 度国立情報学研究所公募型共同研究」では,このようなメディア開発に必要な基礎的知見の獲得を目的として,立食パーティと自動車車内対話の2つの 多人数対話場を採り上げ,その分析方法と分断・孤立の要因について検討した.立食パーティについては,参加者の身体位置や顔の向きをもとに孤立者 を判定す るアルゴリズムを考案し,その有効性を評価した.また自動車車内対話については,各乗員の視野の差異によって認知フレームの分割や多重化 が生じ,これが前後席間の分断や運転手の孤立を招くという仮説を,実際の走行中対話を分析することで検証した.
共同研究3:岡田将吾,東京工業大学
「系列データマイニングを用いたアニメーション説明課題における多人数会話データ分析」
近年データ中心科学的手法の重要性が指摘されており,対面会話状況で交わされる身体配置,ジェスチャや視線方向といった身体表現と音声言語表現と を統合的に収録し,収録したデータを分析するための環境の構築が必要である.本研究では,収録した大規模な非言語データを分析するためのデータマ イニング機構の構築に焦点を当てる.本研究では会話分析者の知見や仮説を基に,大規模な非言語系列の未アノテーションデータに自動的にアノテー ションを付与することの出来る,機械学習に基づくデータマイニング手法を提案する.また非言語時系列パターンを抽出するためのデータマインニング 手法も併せて提案する.最後にこれらの手法を三話者によるアニメーション説明タスクの分析に利用した例を紹介する.
グランドチャレンジ「インタラクション研究と当事者・現場の問題」
グランドチャレンジ1:榎本美香,東京工科大学
「精神医療現場とインタラクション研究」
高次脳機能障害や統合失調症といった精神障害を抱える人々は何らかの認知障害のために,歯磨きや入浴といったセルフケア,掃除や調理といった日常生活に支障をきたす.その一方で病識の欠如があり,自ら何ができないのかに無自覚であると言われている.家族は,そのことに焦り苛立ち,どうしても病前の当人と比較して,現在の状態を負の状態と捉えがちである.医師は症状にあわせ,認知機能を抑制したり活性化する薬を処方するが,完全に病前の状態へと治療することも苦しみそのものを取り除くこともできない.三者三すくみの中へ,インタラクション研究は何をもたらすことができるのか?彼らが〈治療者―被治療者〉〈介護者 ―被介護者〉といった限定された関係性を超えて, 多様かつ根源的な生を「共に」生きることを可能にするコミュニケーション環境を構築するために,我々に何ができるかについて議論する.
グランドチャレンジ2:高梨克也,科学技術振興機構さきがけ/京都大学
「プロジェクトミーティングの継続的なフィールド調査の目的と課題」
ミーティングは多人数インタラクションの一形態であり,われわれのさまざまな社会的活動において,関係者の意思決定や認識の共有のための重要な役割を果たしている.現在の多人数インタラクション分析では,一回の会話内のごく短いデータ断片を詳細に分析することが主流になりつつあるが,多くのプロジェクトミーティングは単発ではなく,一定期間にわたって継続的に開催されるため,連続する複数回のミーティングの大局的な流れをいかに適切に把握し,より詳細な分析に反映させていくが重要な課題となる.本発表では,実世界で開催されているプロジェクトミーティングの継続的なフィー ルド調査について,各フィールドの特徴やこれに即した調査目的を紹介するとともに,フィールドに入る際のラポールの形成やデータ分析手法上の課題 について検討することを通じて,「当事者を交えたデータセッション」という方法論の重要性について述べる.
グランドチャレンジ3:坊農真弓,国立情報学研究所
「手話会話分析の方法と実践:当事者とともに進めるインタラクション研究が抱える問題」
従来の手話研究は音声言語の理論を土台に進められ,その多くは日本語を母語とする聴者によって進められてきた.一方,日本手話を母語とするろう者 はこういった研究を進める上で,「手話モデル」としての役割を担ってきた.このような方法が浸透してきた一つの理由として,伝統的言語学がその言語を母語とする人々に対するインタビューによって進められてきたことが挙げられる.本研究プロジェクトでは,日本手話を母語とするろう者とともに,会話分析やジェスチャー研究の手法を参考にした「手話会話分析の手法構築」を目指している.本発表では,ろう者,いわゆる「当事者」とともに インタラクション研究を進める手法と実践を紹介する.人を対象にしたインタラクション研究では,「観察する-される」の関係が作られるのが一般的である.我々のプロジェクトを紹介することを通し,「観察する-される」の関係の中にある課題について議論したい.
グランドチャレンジ4:角康之,はこだて未来大学
「会話的インタラクションのマルチモーダルな記録と利用」
知識の伝達,アイデアの創出,共存意識の共有など,日常の多くの場面で「会話」は重要な役割を持つ.我々は,会話的な手段によって知識流通やサービス利用を可能とする知能空間や社会的エージェントを実現することを目指している.そのための基盤知識として非言語インタラクションの辞書と文法を構築するために,まずは人同士の多人数インタラクションを計測・解釈する枠組みを開発してきた.多人数会話の分析やインタラクションマイニング等の試みを紹介する.一方で,あるがままの会話現象の理解だけでなく,新しいメディア技術によって可能になるような,非同期的な会話やものを介した会話を可能にする会話強化ツール開発の試みも紹介する.
データセッション「多人数インタラクションとマルチモダリティ」
  • データセッション1:菊地浩平,国立情報学研究所
  • データセッション2:東山英治,千葉大学
  • データセッション3:細馬宏通,滋賀県立大学
  • データセッション4:伝康晴,千葉大学
ナイトセッション
  • ナイトセッション1:市川熹,早稲田大学
  • ナイトセッション2:竹内勇剛,静岡大学
  • ナイトセッション3:細馬宏通,滋賀県立大学

参加申し込み

  • 参加費無料
  • 申し込み締め切り 9月2日(金)
  • 参加を希望する方は,bono-sec@nii.ac.jpへ以下のフォームでお申し込みください(件名を「サマーキャンプ申し込み」としてくだ さい).
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件名:「サマーキャンプ申し込み」
氏名:
所属
メールアドレス:

1.参加する日をお知らせください(参加しない日を消してください).
全日参加,
部分参加(参加しない日を消してください),10日午後,11日午前,11日午後,
11日懇親会,12日午前,12日午後,13日午前,13日午後

2.インタラクションデータの配布を希望しますか.
希望する  希望しない

3.最終日のデータ分析披露を希望しますか.
希望する  希望しない

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