概要
様々な研究分野において、用語の整理と管理は重要な課題であると認識されているにもかかわらず、実際には十分な管理が行われている分野は少ない。
用語管理が十分に行えない背景には、用語管理のための専門家を数多くそなえる必要があることに加えて、用語管理のためのシステム的枠組みが整備されていないという問題がある。
本研究では、用語管理の枠組みを提供するシステムの要件を明かにし、実際に稼働するシステムを実装してその有効性を確認することを第一の目的とする。
用語管理において大きな労力を要するのが、基礎資料としての文献から用語となりうる部分を選択する作業である。システムは従って、この作業を支援する機能を備えることが望まれる。
テキストからの用語抽出を支援する方法として、基礎資料としてのテキストをデータベース管理すると同時に、テキストからの用語抽出を機械的に行う機能を備え、抽出すべき用語の提案を行う機能を備えることが望まれる。研究代表者等はこれまでに日本語専門文書からの用語抽出システムを開発してきており、この機能を利用することが考えられる。
本研究の第二の目的は、用語抽出システムのアルゴリズムを見直し、用語抽出性能を向上させることによって、より高度な用語抽出支援を行えるようにすることである。
報告の本体は、一連のPDFファイルとして用意してある。