NII Open House 2023
by RC4MB
今年の国立情報学研究所オープンハウスは、2019年以来4年ぶりについにリアル会場をメインとする開催となりました。例年通りRCMBも出展し、リアル会場にポスターとスライドショーを展示してオープンハウスに臨みました。
NII Open House
毎年恒例の情報研オープンハウス、2023年は6月2日金曜日と6月3日土曜日に開催となりました。
SARS-CoV-2 (severe acute respiratory syndrome coronavirus 2, 新型コロナウイルス) が第5類指定へ移行してから最初のオープンハウス、コンピュータサイエンスパークも復活してとてもにぎやか活気にあふれた会場となりました。基調講演は、この数ヶ月でにわかに注目を集めたChatGPTを主題に選びました。くしくも、今年度から情報研所長に着任した黒橋新所長の研究分野は自然言語処理であり、タイムリーな企画といえましょう。そうそう、喜連川前所長は情報・システム研究機構の機構長に就任しました。
RCMBの発表
RCMBにおけるCOVID-19対応の一区切りとして、COVID-19肺炎CT画像サーベイランスについて経緯と結果を詳しく発表しました。このサーベイランスは、クラウド基盤に医療画像が付帯情報と共に毎日送られてきている環境を活用しています。クラウド基盤に医療AIを常時稼働する仮想環境を用意し、日々転送されてくるCT画像を自動で解析してCOVID-19肺炎の典型度を判定します。このプロジェクトの詳細は別記事にまとめてあります。
SARS-CoV-2が第5類へ移行したことを機に、COVID-19はそれまでの全数把握から定点把握へと切り替わりました。全国約5,000の定点医療機関から1週間単位で報告されるCOVID-19感染者数を集計し、定点当たりの報告数を毎週発表しています。定点把握の目的は市中感染のレベルとトレンドを知ることで、本サーベイランスと同じ目的です。サーベイランスは定点把握を補完し、日毎の感染動態を示すものとして有効です。さらに、定点把握は医療機関からの報告を必要としますが、サーベイランスは画像の自動判定をベースとするために個々の医療機関による追加の業務は発生せず、迅速で安定した結果が期待できます。今後は学習データにオミクロン株による症例を追加し、肺炎症状の変化に追随して判定精度を維持したサーベイランスシステムへと改良する予定です。
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