研究内容の紹介
(一般の方向け)
宇野毅明の研究は、分野で言えば、情報科学、情報工学、オペレーションズリサーチという学問分野に属します。耳慣れない分野かもしれないですが、基本的には、数学・コンピューター・経済・経営などの中間になります。その分野の中の、もう少し細かい分類で言えば、最適化とアルゴリズム、特に組合せ最適化と離散アルゴリズムになります。これらの分野ではどのような研究をしているのか、なるべくやさしい言葉を使って解説をしました。難しいところも多少あるとは思いますが、基本的な部分は、分かりやすくできていると思います。ぜひ読んでみてください。
アルゴリズムについて
コンピューターが計算を行う、その計算方法のことをアルゴリズムといいます。違う言い方をすれば、コンピュータープログラムの設計図のことをアルゴリズムといいます。高性能・高速なソフトウェア、あるいは高性能・高速なプログラムには、良い設計図はかかせません。この、良い設計図を書くためにはどうすればいいのだろうか、ということを研究するのが、アルゴリズムの研究です。
アルゴリズムを研究すると、どんなことができるのか、 データベース処理の高速化 の例を見てみてください。こちらの方が、アルゴリズムの研究の意味を知るには手っ取り早いかもしれません。また、良くアルゴリズムとともに データ構造 というものが語られます。これも、計算を高速化するための手法なので、こちらもご覧ください。
最適化について
最適化とは、いくつかの条件を満たすものの中で一番いいものを、コンピューターを使って見つけることをいいます。企業活動などの計画の最適化、物体の構造の解析、ナビゲーションシステムの、目的地までのルート検索などに使われています。使い方によっては、いろいろな目的に使えるのです。詳しくは解説を。
具体的な最適化の例として、 生産計画 も見てみてください。最適化が企業活動などにおいてどのくらい威力を発揮するかがわかるかと思います。また、最適化の応用例として、 データマイニング もご覧ください。こちらは最近起こってきた新しい学問で、統計的にデータを分析する際に使えます。
組合せ最適化について
最適化の中でも、組合せ的なものを扱うものを組合せ最適化といいます。組合せ的なものとは、例えば、いろいろな物に対して、買う/買わない、使う/使わないなどの選択の組合せ、仕事を行う順番、道順などです。私の研究は、最適化の中でも、組合せ最適化が中心になっています。
組合せ最適化の例として、 配送計画 や スケジューリング問題 の解説を読んでみてください。世の中には、どんな組合せ最適化があるのか、どういう課題があるのかがわかっていただけると思います。
最適化、組合せ最適化、配送計画、スケジューリングなどは、 オペレーションズリサーチ という学術分野に含まれます。個人や組織、企業活動や国策などでの意思決定や計画立案を、科学的・数理的な手法を用いて効果的に手助けしようという学問です。個人については、意思決定や時間割などの作成。企業では組織作り、配送、工程などの立案・管理、公共事業などでは、評価、価値の数理的な算定など、いろいろな場面で幅広く役に立つツールになります。ご覧になってください。