Big data driving AI for medicine
by RCMB
情報研シリーズは、NIIの研究内容から一つのテーマについて、身近な話題を例に挙げながら一般の方々にも分かりやすく紹介、解説する叢書です。24冊目は医療ビッグデータと医療AIをテーマにRCMBが担当しました。
目次
- AIは医療分野の頼もしい助っ人になる
- 医療AIのカギは画像認識が握る
2-1. AIの歴史と画像認識
2-2. 画像認識に求められるさまざまな役割 - NIIの医療ビッグデータ研究センターの挑戦
- 個人情報保護法と医療データのややこしさを超えて(特別寄稿 佐藤一郎)
- 未来の医療に向けて(特別対談 永井良三氏×喜連川優)
概要
第一章では医療分野でAIが期待されている現状や、医療AIが将来にどのような形で利用されるのか概観します。そのなかで、医療ビッグデータが医療AIの実現に必要不可欠であることを論じます。第二章では画像認識とAIのかかわり合いを通じて、機械学習や深層学習の辿ってきた歴史を繙きます。第三章はRCMBが設立からこれまでどのように活動してきたかを紹介します。
医療に限らず、ビッグデータとAIには個人情報の保護と活用の両立という繊細かつ困難な課題が存在します。そこで、現今の個人情報保護法の制定と改正を通じてずっと政府の検討会に関わってきた佐藤一郎教授に特別寄稿をお願いし、第四章としました。
第五章では、まだITという言葉も存在していなかった時代から診療録などの医療データをデータベース化して活用してこられた永井良三 自治医科大学学長をお招きしました。AIに限らないで、医療のデジタル化、スマート化の現状と未来の姿、そこへ至るための課題を喜連川優NII所長との対談形式で語っていただきました。
出版のお話を最初にいただいてから1年半、当初は2021年春に刊行の予定でしたが、半年遅れて今秋にようやく出来することができました。この間、根気よく取材、執筆、編集してくださった田井中麻都佳さんがいなければ、この本はでき上がっていませんでした。この場を借りてお礼申し上げます。
カバーの写真は美術家・写真家の新井卓さんに制作していただいた、ダゲレオタイプ (銀板写真) による作品です。素敵な作品をありがとうございました。
電子版もあります。みなさま、ぜひお手にとっていただければ幸いです。
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