HUMAI問題カタログ 
(情報学・理系向け文体バージョン)

 

神田ラボで行われた異分野融合の議論から出てきた、人文社会科学と情報学の間にある、融合的な研究の問い、アイディアがたくさん置いてあります。ふだん分野の中にいるとなかなか持ち得ない視点から、社会や学術の様々事がらをとらえなおして、アイディアや問いの形にしてありますので、新しい視点として参考にしていただければと思います。実際の研究にそのまま使えるほどしっかり細かく書いていませんので、これらを元にしてご自分の研究を作っていただいてかまいません。その際は、ここを参考にしましたとどこかに書いていただけると嬉しいです。

---------- 問題カタログの世界観を解説するコラム ---------

問題カタログがどういう考えのもとから出てきたのか、どのような世界、どのような状況を考えているのか、問題や問い立てがどのようなものであると考えているのか、といった問題カタログの背景にある世界観を説明するコラムです。いくつかのトピックについてまとめてあります。

   新しい学問の予想図   生成AIを初めとする多くの技術革新と学問の急激な変化にともなって、将来学問とそこに携わる人々がどのようなことを大事に、どのように生きているのだろうかということを考察

   新しい問い、交わってできる問い、違う道具を使う道   学問分野の中で新しい問いを作るときに、中核となっているであろう問い立てとその価値付けの形を考察する

   問い立ての価値付けと問いの流通   研究者が持つ思考力の強さ、特に問い立てに関わる思考の強さを、各自が取り組む問題だけでなく、他の分野の研究や、社会課題、産業・ビジネス等の場面での質の高い問いを立てることに活用できないかという話

   異分野融合の議論   研新しい問いを考えるときに自然と重要になる、異分野の研究者の交わりによる情報交換や議論、共同研究について、その難しさや意義、価値について考える

   日本の学術コミュニティの強み   日本は、研究につぎ込む資金や研究者の数では大国にかなうものではない。しかし、日本の研究環境やコミュニティは、他国が優れているであろう面がある一方で、他国にはない強みを日本のコミュニティが持っている面もある。そのような面について考察し、そこを伸ばして日本が世界の中で強い一を占めるためにはどうするべきか、ということを考えたい

-------------  以下が、問題カタログです --------------

   AI技術を使った新しいシステムの効果の分析   生成AIを使ってキャラクタや対話を使ったシステムがうたう学習や創造性の向上は、実際の所どのような効果の積み重ねで達成されるのか、詳細に分析できないかという話。

   極端な質問による理解   極端な状況であなたはどう考えますか、という質問をすることで、人々の考え方の深めの部分を効果的に知ることができないかな、という話

   言語の使われ方の比較   いくつかの地域や文化の間で、同一の言語がどのように異なる使われ方や、異なる意味で使われているかを、LLMでベクトル化して定量的に調べられないかという話

   文からニュアンスを取出す   文章が与えられたとき、各センテンスのニュアンスを、ベクトル化したデータとしてLLMで取出して、ニュアンスを取り除いた基準化した意味と分解できないかという話

   LLMによる現場のモデル化   事業所や学校などの現場で最適化やスケジューリングなどの最適化技術を簡単に使えるように、その現場固有の条件を上手に聞き取ってええ感じにシステム作れませんかねという話

   研究アイディアの図鑑   データや対象や知りたいことや研究分野から、LLMは妥当で標準的な研究アイディアを出してくれる。これを抽象化して発想の手口をカテゴライズすれば、研究アイディアの図鑑のようなものができるだろうな、ネタ探しの補助、論文の新規性や妥当性の評価に使えないかなという話

   景色や雰囲気の規格化した記述   美学の知見を使って標準的に雰囲気や情景を記述できないか。同時に主観的な価値軸も含んだ、ナラティブ的な記述手法を文学的なナラティブ研究の知見から構築できないか

   人間にできてAIにできないこと   人間とAIの仕事の違いを顧客との対話などから抽出し、人間がやっていることの本質を見出そう、という話

   ITシステムが作る未来をシミュレーションしたい   新しいITコミュニケーションツールなどが登場したとき、人々がそれを使ってどういう新しい使い方を発明して、新しい価値や社会を作っていくのかシミュレーションしたいという話

   他人の信念を的確に理解評価する   陰謀論、宗教などを、怪しいものだという決めつけなしに正当に論理の構造などを調べる方法を考えたいという話

   異なるディシプリンでの解釈   ある考え方のもとで、ある文書を読み解くとどうなるかをシミュレーションしたい。たとえば他の分野の考え方で自身の論文がどう評価されるか理解の構造を計算的に構築したいという話

   紋切り型の抽出と思考の観察   よく見る言い回しを自動的に抽出して、発言者がどれくらいしっかり考えて発言しているかをうかがい知りたいという話

   絵画やアート作品のメッセージを客観的に紐解く   絵画やアートのモチーフや部分の関係性からそこに埋め込まれたメッセージがどのように伝わるかを分析するようなAI的な手法が作れないかという話

   作品世界を説明するVR・LLM   物語作品が作られた年代の世界や社会を説明するAiとかVRとかを作れば、作品をより深く実感を持って理解できるのではないかという話

   荒い言葉使いを文化として読解するAI   Web掲示板などで言葉使いはあらいが相手に向き合って熱意を持って話をする場面など、言葉使いが粗いことだけを人の態度として抽出しないような読解AIの話

   感情に基づいた語りの生成   感情を基軸にした語りやSNS投稿のシミュレーションによる、コミュニティや炎上などでの群衆の感情の理解の話

   新しい組織の人材の問題   大学の新しいセンターなど今までにないタイプの組織では、人のクリエイティビティや得意技を上手に組合せてミッションを決めていくようなボトムアップな組織作りが必要なのではないかという話

   物語構造のデータマイニング   LLMを使って大量の物語のストーリー構造を抽出して、データマイニング的に物語の持つ構造の特徴的なパターンやカテゴリなどを見立てられないかという話

 

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