Cognitive Innovation Centre (CIC)

コグニティブ・イノベーションセンター (CIC) は 2016 年 2 月に国立情報学研究所 (NII) に設置されました。運営資金は日本 IBM から提供されています。他の AI 関連センターと同じく、社会や産業の AI への関心、期待の高まりに対応したものですが、多くの AI 関連 センターが新技術の研究・開発を第一の目的にしているのに対し、可能になった新しい AI 技術を社会や産業のイノベーションにつなげることを CIC の主な狙いにしています。すなわち、限られた資源と IBM との強い連携が利用できることを考慮し、AI を包含するコグニティブ・テクノロジーによって拓かれる社会的イノベーションの発掘や創出を目指しています。

コグニティブ・コンピューティング、コグニティブ・ビジネスは IBM が世界的に展開しているスローガンです (Watson が主要なツール)。ときに AI とは違うというように捉えられることもありますが、その一方でその違いは曖昧で AI と同様に捉えることも多くあります。違いがあるとすれば、コグニティブ・コンピューティングは人間の能力を置き換えるものではなく、人間の能力を拡大することに力点があるということです。CIC では、コグニティブ・テクノロジーを AI を 含む知的情報処理技術の集合体と捉えて研究に取り組んでいます。幅広い先端コグニティブ・テクノロジーを自家薬籠中のものとし、融通無碍に展開することは普通では難しいのですが、この関連分野で世界に 1,000 名を超える研究者・開発者を擁する IBM との連携のもとでは、それが可能となります。このことは日本の他の AI 研究センターにはない特徴であり、小規模ながらもグローバルな技術と視点をもつセンターといえるでしょう。

CIC の理念は Social Benefits First です。CIC をハブとして異なる業種の複数の企業を結びつけ、コグニティブ・テクノロジーを軸にしてオープン・イノベーションを創成することで、社会的イノベーションを実現していきます。


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