一昨年、昨年と2年連続でオンライン開催となった国立情報学研究所オープンハウス、今年はついにリアル会場とオンラインのハイブリッド開催となりました。RCMBでも2年ぶりにポスターを印刷し、リアル会場とオンラインの両面でオープンハウスに臨みました。

NII Open House

毎年恒例の情報研オープンハウス、今年は6月3日金曜日と6月4日土曜日にハイブリッド開催となりました。

NII Open House 2022 Poster

SARS-CoV-2 (severe acute respiratory syndrome coronavirus 2, 新型コロナウイルス) の世界的蔓延もようやく終息の段階に入り、post-coronaあるいはwith-coronaという言葉とともに通常の社会生活へと戻ってきました。今年の情報研オープンハウスはCOVID-19 pandemicが私たちに残した教訓や情報学と社会とのかかわりは今後どうあればよいのか、という観点でさまざまな研究の結果を展示発表しました。

また、喜連川所長の活動報告に続いて永井良三 自治医科大学学長に基調講演していただきました。

国立情報学研究所オープンハウス 基調講演

  • 日時:2022年6月3日(金) 14:00-14:30
  • 形式:ハイブリッド開催
  • 場所:一橋講堂 (東京都千代田区)
  • 講演:30分
    永井良三 先生 (自治医科大学学長)
    コロナパンデミック対応におけるデータ科学
    COVID-19パンデミックは、健康医療と社会経済上の危機をもたらしました。誰にとっても初めての経験であり、これまでの経験は必ずしも役に立ちません。こうした状況では、情報を集めて幅広い意見をもとに方針を決定しなければなりませんが、有事法制が整備されておらず、情報収集に多くの障害が存在します。今後、わが国の健康医療上の危機管理体制をどのように構築するか、とくに情報収集と公表のあり方について、演者の経験を含めて紹介します。

永井先生と喜連川所長の対談も行われました。この顔合わせは昨秋に出版した情報研シリーズ24号「ビッグデータが拓く医療AI」に収録した特別対談「未来の医療に向けて」の再現です。動画が公開されているので、ぜひご覧ください。

基調講演・対談 国立情報学研究所オープンハウス2022
https://www.youtube.com/watch?v=5NBm_l7CuE4

RCMBの発表

NII Open House 2022 RCMB Poster

一昨年昨年のポスターはほとんど同じだったので、今年はクラウド基盤の維持整備や機能増強を紹介する内容にしてみました。一昨年度でAMEDプロジェクトが終了して以降、クラウド基盤を医療AI研究開発のプラットフォームとして維持整備するだけでなく、医療AIを社会実装するプラットフォームとしてクラウド基盤を利用するための機能強化も行ってきました。COVID-19肺炎CT画像サーベイランスはその機能強化の一例です。このサーベイランスは、クラウド基盤に医療画像が付帯情報と共に毎日送られてきている環境を活用しています。クラウド基盤に医療AIを常時稼働する仮想環境を用意し、日々のCT画像を自動で解析してCOVID-19肺炎の典型度を判定します。

PCR検査では感染の有無は判定できますが肺炎症状の有無は判定できず、積極的な加療が必要な感染者の実態は推測によるしかありません。本サーベイランスではCOVID-19肺炎の典型度を判定しているため、実際に肺炎を発症している感染者の実数が日毎に分かります。その判定結果を経時的に集計すると、実際に肺炎症状のある症例数の推移を追うことが可能です。

RCMBメンバー

昨年7月にセンター長が交代しました。COVID-19パンデミックの渦中ということで、新メンバーの集合写真を撮影する機会がありませんでした。今回のオープンハウスでは森センター長が名古屋から駆けつけ、ようやく現メンバーの写真を撮影することができました。

RCMBメンバー – 左から順に二宮特任研究員・佐藤副センター長・森センター長・合田副センター長・村尾特任准教授・田村特任専門員