紛争鉱物・現代奴隷 - グローバルサプライチェーンを通じたダークサイド是正の研究 –

研究内容

グローバリゼーションは素晴らしいことです。いろいろな国の人と友だちになれますし、自国では作れないものを他国から手に入れることができます。

しかしよいことばかりでしょうか。我々の手元にある電子機器の原料の多くは、紛争で揺れる地域から採掘されます。

そうです、我々は複雑怪奇なグローバル・サプライチェーンを通じて、世の中のダークサイドにお金を供給しているのです。

企業の取引先、株主、提携先、ライセンス先、輸出入先の情報が収録された有価証券報告書等を膨大に集めて、数珠のように繋げていきます。

同じく、世界中のニュース記事、NPOなどのレポートを丹念に集めて、問題を起こした企業にフラグを立てていきます。

いとも簡単に、我々は世界中の問題のある企業と繋がることができます。

一見、ぐちゃぐちゃに見えるグローバルサプライチェーンにも法則があります。仲間内で蜜に繋がるコミュニティがあるのです。

ほとんどのコミュニティは真っ白ですが、ごく一部に問題を起こした企業ばかりが集中するコミュニティがあるのです。

このダークサイドに落ちたコミュニティと我々とを繋いでいるのは誰でしょうか？

サプライチェーンにおける物の流れには、必ず通過しなければいけない少数の重要なハブがあるのです。そのようなハブをブリッジ企業と呼びます。ブリッジ企業は、媒介中心性という指標でいとも簡単に見つけることができます。

ブリッジ企業に繋ががる企業は責任を持ってお金を出しましょう。そして、ブリッジ企業は提携して、そのお金を使って上流を改善していきましょう。

[1] T. Mizuno, T. Ohnishi, T. Watanabe (2016) EPJ Data Science 5, 2.

[2] R. Hisano, D. Sornette, T. Mizuno (2020) Journal of Big Data 7, 22.

研究内容研究成果