研究内容

世論操作
– SNSにおける世論操作防止についての研究 –

不安定で危ういSNS

無数のSNSが相互に繋がり、気軽に情報が発信できる世界規模の社会ネットワークが形成されています。

人は自分に都合の良い情報は信じやすい。似た考えの人々が徒党を組み、自分たちで盛り上がり、しばしば過剰にエキサイトする現象をエコーチェンバーと言います。

不安定で危うい社会ネットワークが、日々、情報の削除や追加といった情報操作にさらされています。

検閲
- 書き込みの削除 -

中国での世論指導は公知の事実であり、その一環としてSNSにおける検閲がおこなわれています。これは、民主主義国家でもおこなわれます。

ドイツでも2015年は難民に対するヘイトスピートを対象とし、難民が罪を犯したとしても書き込みが削除されて、犯罪が抑止されないのではとの懸念が起きました。

削除はエコーチェンバーを防止することができますが、削除以外に防止する手立てはないのでしょうか?

情報戦
– 書き込みの追加 –

選挙戦において、他国からのSNSへの介入が噂されています。中国政府による匿名のアカウントがデモ等の集団行動を抑制する書き込みをおこなっています。

直接的な賛成・反対意見ではなく、別の話題で、巧みに人々の関心を逸らそうとしています。

書き込みは国境を超えます。情報操作は必要か?不必要か?我々は高い倫理観を持って、情報処理技術の発展に取り組んでいく必要があるでしょう。

参考文献

[1] 水野貴之 (2019) 情報処理 Vol.60 No.11. Oct.15.

[2] G. King, J. Pan, M. Roberts (2013) American Political Science Review 107, 2, 326-343.

[3] G. King, J. Pan, M. Roberts (2017) American Political Science Review 111, 3, 484-501.

研究内容一覧

Mizuno Laboratory