研究内容
富の不平等
- 企業の生産性と格差社会についての研究 -
格差のメカニズム
自由競争では、大きく成長するために、勝てる可能性のある最大の相手と戦っていきます。つまり、勝者と勝者、敗者と敗者が戦いを繰り広げ、勝ち続けた企業は倍々に成長していきます。
そうすると、富が少数の勝者に流れ込み、格差が拡大していきます。全体の中央値から、とんでもなく離れた勝者が生まれます。
世の中の大多数の商品の値段は、普通の人の手の届く範囲です。勝ち続けた勝者にとってのお金の価値とは何でしょうか?
バブルと格差
勝ち続けた勝者が買った気になれる商品は、もはや金融商品や不動産だけです。
金融商品や不動産は投資ですから、勝者はさらに倍々で大きくなる可能性があります。どこまで、大きくなれるのでしょうか?
金融取引は売る人と買う人が必要です。つまり、格差が大きくなりすぎると、勝者と取引できる規模の相手がいなくなります。これまでのバブル崩壊は、特定の格差水準で崩壊が起きています。
生産関数の推定
生産関数とは、企業が投入する資本や技術、人材などの生産要素と、これらの要素を使って産出される生産量との関係を記述した関数である。
資本が高かければ、人材も豊富なことが多く、どの生産要素が重要かを見つけることは容易ではありません。相関のある多数の生産要素での多重回帰で、しかも、関数型を見つけなければなりません。
因果を考慮した従来の推計手法と機械学習を融合させることによって、生産量に関する制御と予測を両立した生産関数の推計手法の開発に取り組んでいます。
参考文献
[1] T. Mizuno, A. Ishikawa, S. Fujimoto, T. Watanabe (2012) Progress of Theoretical Physics Supplement 194, pp.122-134.
[2] A. Ishikawa, S. Fujimoto, T. Mizuno, T. Watanabe (2016) Evolutionary and Institutional Economics Review 13, pp 409–422.
[3] A. Ishikawa, S. Fujimoto, T. Mizuno (2020) 投稿中
研究内容一覧
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紛争鉱物・現代奴隷 - グローバルサプライチェーンを通じたダークサイド是正の研究 –
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バブル・金融危機 – 自己フィードバックと群衆行動が生み出す異常値の検出 -
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