KOIBUCHI LABORATORY

研究

コンピュータシステムのセキュリティ Security of Computer Systems

Society 5.0が目指す「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靱な社会」の実現に向けて、ゼロトラストセキュリティの半導体チップの実現が必要です。本研究では、情報漏洩と計算妨害を防ぐチップ内ネットワーク技術を探究します。具体的には、半導体チップに本来の機能とは別の回路を仕込むハードウェア「トロイの木馬」の攻撃から社会基盤を守る技術を実現します。現在、チップ内ネットワークのセキュリティ研究は、暗号化と認証のアプローチが中心ですが、キャッシュと演算器間の通信遅延とエネルギー消費が大きくなる問題が生じています。
そこで、本研究では、暗号化、認証処理を用いずに、(1)近似コンピューティング技術「定格以下の低電圧で回路動作」によるビットエラーの発生と非可逆データ圧縮通信を用いた情報隠蔽、(2)改竄データをそのまま計算に利用するアプリケーションレベルの耐タンパー技術、の2点を研究の中心に据え、新たなセキュリティと高性能化を両立する技術を探究します。目標は、性能、電力、セキュリティのバランスの取れたチップ内アーキテクチャを示すために2つに大別されます。一つ目は、チップ内ネットワークのハードウェア・トロイによる既知の盗聴、なりすまし、DoS(Denial of Service)攻撃、サイドチャネル攻撃を防ぎます。二つ目は、通信スループットと省電力の向上を達成します。

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